
網膜の病気
網膜の病気
網膜の細胞で光が電気信号に変わり、脳に伝達されることで、私たちはモノを「見ている」と認識します。網膜の病気といってもたくさんありますが、当院で治療可能な代表的な病気として、
①網膜裂孔、②加齢黄斑変性、③糖尿病網膜症、④網膜静脈閉塞症などがあります。
眼球に関わるケガや、加齢や強度近視などが原因で、網膜に亀裂や穴があくことがあります。飛蚊症(蚊のようなゴミが見える)や光視症(変な光が見える)といった症状を自覚することが多い病気です。放置すると網膜剥離まで進行して視力低下をきたし、失明に至ることもあります。
黄斑という網膜で最も重要な部位が変性し、見えにくくなる病気です。歪視(歪んで見える)という自覚症状が出やすいです。放っておくと、視力が著しく低下し失明に至ることもあります。名前の通り加齢に伴い発症するため高齢者に多い病気です。喫煙は発症リスクや重症化リスクを高めるといわれています。
糖尿病の合併症で、網膜の血の巡りが悪い状態が長期間継続する事で生じる病気です。日本の失明原因第2位の病気で、糖尿病の治療が順調な方にも生じます。自覚症状が出にくいため、糖尿病と診断を受けた方は定期的な眼科受診が必要です。自覚症状が出る頃には病状も進んでいるため、治療を開始しても、視力が改善しない場合が多いです。
網膜中心静脈に血栓がつまり、血液がうまく流れなくなって網膜に浮腫(むくみ)が生じる病気です。見え方が急に変化するため自覚症状がでやすく、生活習慣病のある方や年配の方に発症しやすいです。
レーザー治療は日帰りで行うことができます。瞳孔を拡げる散瞳薬を使うため、薬が効いている間は眩しくてピントが合いにくくなります。運転は少なくとも施術後5時間ほどは控えてください。他に治療後の日常生活への制限は特にありません。網膜光凝固術、汎網膜光凝固術の2種を行っております。網膜光凝固術は網膜の病気のある場所に部分的に行います。上記の中だと主に①網膜裂孔や④網膜中心静脈閉塞症の治療で選択します。汎網膜光凝固術は、網膜を広範囲に凝固する治療方法です。レーザーを撃つ範囲の広さと数が多いため、数回に分けて試行します。上記の③糖尿病網膜症や④網膜中心静脈閉塞症の重症例に対してレーザー治療を行う際に選択します。
②加齢黄斑変性、③糖尿病網膜症、④網膜静脈閉塞症や、病的近視などの病気の治療に用います。網膜の血流異常が生じると、新しく血管をつくろうとVEGF(血管内皮増殖因子)という物質が多く作られるようになります。それで状況が好転するかとおもいきや、逆に悪循環にはまってしまうのです(詳細はここでは割愛します)。抗VEGF薬療法はVEGFを抑える薬を眼内に注射して悪循環を止めることで、網膜の状態を改善させる治療です。
病気の状態や、薬の効果の出方などで、打つ回数や間隔は変化します。長年続ける必要がある方もいます。